幸手

遅ればせながらというか何というか、今話題のアニメ映画「時をかける少女」を日曜日に見てきました。
というわけで、前日の土曜日にnekomaさんの誘いで茨城県埼玉県幸手市(さって、と読んで下さい)のシネプレックス幸手まで行ってきたのですが、こちら映画の公式ブログで紹介されていたそうで1週間だけ上映、しかも音が大変いい映画館でありながら新宿と違って割合座席に余裕があるとか。つか実際すいてました。
…それもそのはず、この幸手までは北千住から電車で約一時間。僕の家からだと優に2時間かかる場所。往復の交通費でもう一回映画が見られます。でもけっこう良いトコだったので気に入っちゃいましたよ。イナカ度でいえばぼくの実家の近所とドッコイぐらいだし。
というのはさておき映画の感想ですが、正直ネットの感想とか読んでるとゲドと比較して持ち上げ過ぎなんじゃないの?とか思ってたんですけど、普通によかったです。ちょっとヨイショされ過ぎな気はしましたけど、後半のサスペンスフルな展開とかテンションが上がりまくってラスト半泣きでした。そして何より真琴がかわいい。プリンを食べる所とか、ハァハァ言って走る所とか、ゴロゴロ転がって頭をぶつける所とか。もう全てかわいい。バカだけど。
で、ネットでも見た感想ではあるのですが一緒に見たaya氏などは真琴がバカすぎて共感できないのだとか申しておられましたが、真琴というキャラクタが女性が見て共感できないのは当然なんだろうなぁと考えてしまいました。
つまり原作(まぁ今回のはほとんど無関係と言ってもよさそうですが)を著した筒井康隆はオッサンであり、監督細田守もオッサンであり、昔も今も「時かけ」を観るのはオッサンであり、特に今回よかったよかったって言って涙を流すのは主にオッサンなのですよ。
なぜか。まず放課後に男友達とキャッチボールとか野球とか一緒になって興じてくれる女子高生なんか居ないじゃないですか。もうここで真琴というキャラはオッサンの願望で作られている、ということに気づいてほしいわけです。要するにドラえもんのしずかちゃんです。同性の友達と服買いにいったりしないでスネ夫の家で化石見て喜ぶような女友達、これですよ。
「あんなサバサバした性格で笑ったり泣いたり感情表現豊かで、キャッチボールに付き合ったりしてくれる女友達がいたら、友情関係とか言いながら絶対惚れちゃうね(でもそんな娘いるわけないから大丈夫)」
てなキャラを出されちゃったら、オッサンだったらズキューンと来ないわけがない。そしてそんなものに女性が共感できないのは当たり前じゃないですか。もうね、リアリズムの権化たる現実の成人女性が真琴というキャラに言及するのは野暮としか思えませんよ、ぼくには。
さらに思ったのはこの映画、おジャ魔女どれみとなんか通じるものがあるなぁと思った次第です。真琴の性格もどれみっぽいというか。魔法(タイムリープね)では人を幸せにできないところとか。
あと色々とこまかい所で「ん?」と思わないこともなかったですが、SFとして矛盾をなくすために設定をガチガチにしたり、そのための説明でテンポが悪くなったりするよりは気持ちよくストーリーが展開するこの形がよかったのではないかと思いました。でも桃を自転車の前かごに満載したら痛んでダメになっちゃうんじゃないかと。あと博物館で大声で話すのも気になった。でもそんなのたいしたことじゃないし。
あと音楽も効果的だったなー。主題歌とかもかわいくて、ちょっとCD買っちゃいそうです。
あ、でも、アニヲタ的に見ると後半作画的に少しだけ微妙なカットが散見されて、振り向きとか少しうにょうにょしてて、スケジュール厳しかったのだろうかとか勘ぐってしまったりしました。
で、まだ見てない(これから見る予定の)人に言いたいんですけど、もう遅いよと。これは真夏の暑い日に見てほしい映画なので。来年の夏にでも誰か優しい人が上映会を催してくれたらいいんですけど、そうでなければ今年のこの映画の旬は過ぎたと思う。でももう一回ぐらい近々見ておきたい。興奮しててとりとめのない文章ですみません。以上!!