風説

少々前の話になりますが。
約2ヶ月ほど前、8月の末にCEDECとやらに行ってきました。ぼく自身は聞きたい講義がなかったのと、聞いた所で今の仕事にフィードバックしにくいだろうと思いましたので行きたくなかったのですが、まぁ会社が行け行けとうるさいのでなんとか自分でも興味を持って聞けそうな「ゲーム開発におけるフォントの利用許諾とソリューションの提案」という講義にしました。
ちなみにこのCEDECの講義には大まかに2種類ありまして、カネを取る講義とタダの講義なんですけど、タダの方はスポンサーシップセッションと言いまして、企業の方がゲーム開発に役立ちそうな話をしながら自社製品のPRをするというものです。
そんなわけでぼくが受けた講義はフォント会社のフォントワークスが、ゲーム開発に役立ちそうな自社製品をPRしながらその他フォントにまつわるイイ話を色々と聞かせてくれました。
まぁ元々がDTP寄りの人達がゲーム業界の人に向けて数ランク話の内容を下げている印象はありましたが、中でも面白かったのは「中国語のフォントを作るためには中国当局の許可が必要であり、実質海外のベンダーは参入できない状況」って話と「ナチスドイツで公用フォントとして使用されていたフォントがあり、ゲームを欧州版などにローカライズする際にこれをうっかり使ってしまうと大変な問題になることがあるから気をつけて」という話。
聞いた時はふーん、面白いなぁ程度だったんですけど、実際そのナチス公用フォントって具体的にナニよ?と思って昨日調べてみた所、「フーツラ」でした。な、なんと。あのおなじみのフォントが。
しかし話はこれだけで終わらず。どうもこれって日本の印刷業界では昔から噂にはなっていたんですが、気にしてるのは日本人だけで、現地では「何それ?」って話らしく。っていうか、フォルクスワーゲンやヴィトンのロゴにまで使われてるフォントがむこうの人の感情を刺激するのかと。ウィキペディアのフーツラの項にもしっかり載っていて、ユダヤ人の本拠地イスラエルでもフツーに使われてるおなじみのフォントなんだそうです。その辺の話は今日初めてトラックバック機能とやらを使ってみたのですが、そちらのブログにものすごく詳しく書いてあります。興味のある方は是非ご一読を。
ていうか、CEDECでデマを流すなと思いつつ、それを真に受けてそれをレポートに書いて会社に提出しちゃった己の浅はかさを恥じました。